透析の基礎知識
体内で作られた老廃物は、腎臓で濾過され、尿として体外に排泄されます。しかし、何らかの原因で腎臓の働きが悪くなってしまうと老廃物が体内に溜まってしまうため、別の方法で血液をきれいにしなければなりません。その時に行うのが「透析(血液透析)」です。
まずは動脈と静脈を体内で繋ぐ手術(内シャント)を行い、透析に必要な血流を確保します。その上で血液の一部が体外に流れるよう管を通し、人工透析装置の中で血液の老廃物を取り除き、きれいになった血液を再び体内に戻します。
透析が必要になる原因(一例)
糖尿病、慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)、血管の炎症、膠原病、妊娠中毒症、自己免疫性疾患……など
当院で人工透析を受けていただく5つのメリット
①無料送迎サービス
透析治療開始後は、週に3回程度の継続的な通院が必要になります。
そのために移動手段を確保することは、患者さまご本人にとってもご家族にとっても負担になることがほとんどです。
そのため当院では、ご自宅や入居施設への無料送迎サービスを実施しています。
「家族に気を遣わなくて済むので気持ちがラクになった」と仰っていただく患者さまがたくさんいらっしゃいます。
②ストレスフリーを追求
透析中は、3時間から6時間程度はベッドの上で安静にしていただく必要があります。
多くの医療施設では同じスペースに複数のベッドを並べていますが、
そわそわして落ち着かないという声をよくお聞きします。
当院はベッドを壁で仕切り、一つひとつテレビを設定しています。
また、完全個室もご用意しています。家にいるような感覚で、リラックスして透析を受けていただければと思います。
③柔軟な対応
透析を行う時間は患者さまの疾患の程度や生活スタイルなどによって変わってきます。
そのため当院では一律に一人一回何時間と決めるのではなく、
ご希望に合わせてなるべく時間透析を調整するよう配慮しております。
中には過度な食事制限を少し緩和し、その代わりに透析時間を長めに取るといった患者さまもいらっしゃいます。
当院としましても、できるだけ患者さまのQOLを維持・向上することを大切にしています。
④フットケア
透析が必要になる最も大きな原因は糖尿病です。糖尿病になると末端の血管に血液が流れなくなり、
足や手を切断しなければならなくなる可能性もあります。
そのため当院では、足の血行状態を検査し、必要に応じてお薬を処方したりほぐしたりするフットケアを実施しています。
また、キズやタコの処置も行っております。
⑤オンライン血液濾過透析(HDF)を実施
透析にはいくつかの種類がありますが、当院ではその中でも「オンライン血液濾過透析(HDF)」と呼ばれる最も優れた透析方法を導入しています。
この方法は高度で大掛かりな設備が必要となりますが、患者さまにとっては、より効率的に老廃物を除去できる、アミロイドーシス(透析による合併症)を予防できるといった多くのメリットがあります。
自宅で透析を受けたい方へ
従来は透析は医療機関で受ける必要がありました。しかし、現在は自宅で透析を実施ことも可能になりました。当院は厚生労働省が定める「在宅血液透析」の施設として認定されていますので、ご希望される方はお気軽にご相談ください。
在宅透析の始め方
自宅で透析する際は、ご自身とご家族の方が透析装置の取り扱いを習得していただく必要があります。
そのためまずは3ヶ月間当院へ通院し、具体的な方法を練習をしていきます。
院内にはそのための専用のお部屋もご用意しております。
在宅透析によって得られる効果
自宅で透析ができるようになると、いつでも自分の都合に合わせて治療を行うことができます。
例えば仕事で夜遅くなってしまった場合、クリニックなどで透析を受けるのは難しいですが、自宅であれば可能です。
また、時間も施設の都合とは関係なく調整できるようになります。
その結果、透析量が十分足りるようになり、体長が良くなる、気持ちも軽くなるなど、明らかな違いを実感される方がほとんどです。
在宅透析を行えば、ただ通院が必要なくなるだけでなく、様々な点でQOLの向上に繋がります。
在宅透析の装置と費用について
在宅透析に必要な装置はすべて当院から貸し出しますので、ご購入いただく必要はありません。
また、その貸し出し費用や治療費などはすべて国から支給されるため、費用の面でご心配いただく必要はございません。
ゲスト透析をご希望される方へ
普段は透析を受けている別のかかりつけ医があるが、出張や旅行などで一時的に当院で透析を受けることをご希望される患者さまは、以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。